これらは徒手療法と組み合わせながら複合的に行います。
頚椎・腰椎自動間歇牽引療法
◆脊椎牽引療法とは
人間の脊椎は頸椎から尾骨まで三十数個の骨が重なって出来ています。
その中を脊髄が通り、さらにその脊髄から多数の末梢神経が、椎間孔を通って出ています。
この骨は、年齢や労働、外傷のために変形したり(脊椎症)、骨と骨の間にある椎間板が飛び出したり(椎間板ヘルニア)してきます。この変形した骨や椎間板が脊髄や末梢神経に当たるようになると、身体の一部に強い痛みや痺れ、運動麻痺などが起こってきます。
この変化は、頸椎と腰椎が最も起こりやすい場所です。
牽引療法の目的は、頸椎や腰椎を引っ張ることにより、骨同士の圧迫を軽減したり、ズレを矯正することです。
◆脊椎牽引療法の効果
- 椎間関節周囲軟部組織の伸張
- 椎間板、椎間関節の軽度の変形、変位の矯正
- 椎間関節の離開、免荷
- 椎間孔の拡大化
- 攣縮筋の弛緩
- マッサージ的効果による循環改善・促進
◆牽引の連続性による分類
牽引の連続性で分類すると、間歇(かんけつ)牽引、持続牽引の2種があります。
- 間歇牽引・・・秒単位での牽引と休止を交互に行います。電動牽引機での一般的な使い方です。
- 持続牽引・・・数時間以上牽引を持続するもので牽引力は比較的小さく、主として患者さんに入院していただき病室で行います。
◆脊椎に対する牽引方向と角度
頚椎、脊椎は生理的に前彎位ですが、脊椎の後方を離解する方向、つまり、前彎位を減少させる方向に牽引するのが効果的です。椎間板後部の減圧を図る椎間関節面に加わる力の減少を図る椎間孔は,前屈位で拡大される。
スーパートラックST-1L
牽引療法は腰椎牽引(骨盤牽引)と頚椎牽引とがあります。腰椎牽引では腰臀部の筋をリラックスさせ、股関節と膝関節とを十分に屈曲させる前屈位姿勢での牽引が望ましいとされています。スーパートラックST-1Lはこの姿勢が容易に得られる座部形状を採用し、効果的に牽引療法を行えるように工夫しました。
ローラー式マッサージベット
◆効果
- 体液循環効果
- 体表に押圧されたローラーが、ゆっくり移動することで、その部分の体液が押し流され新しい体液が流れこんでくるポンピング効果がある。
- 牽引効果
※交通事故治療中で徐々に改善してきているが、突然治療中止にするのが不安・心配など治療後期の方にご利用いただいております。
電気療法
低周波治療器
◆低周波治療器とは
低周波電流で生体を刺激し疼痛緩和・筋力増大を目的とします。
一般的に電気治療器のグループ分けは、治療に使用する周波数によって決まります低周波治療器の場合1~999Hzまでの範囲を使用します。それ以上を中周波治療器、さらに高いものを高周波治療器と呼びます。
さらに低周波治療器の中では使用目的によって分けられます。疼痛を緩和させる目的のものと筋肉を収縮させて筋力増強の目的のものと大きく2つに分けられます。
◆効果
- 経皮的に鎮痛作用があります。(痛みを取り除く)
- 神経及び筋刺激を行うことで筋萎縮改善に効果があります。
干渉波治療器
◆干渉波治療器とは
低周波(1~1000Hz)や中周波(1000~10000Hz)など異なる周波数の電流を生体内で交差させることにより、新たな干渉波を発生させ、より深部(3~5cm)と、より広範囲を治療するための電療器です。
低周波治療器の場合痛みの太い神経に作用して痛みの信号を脳に行く前に抑えてしまう原理に対して干渉波治療器は、むしろ筋を収縮させ、そのポンピングの作用により血流を促進させて痛みの物質を取り除く作用が強いです。干渉電流型低周波治療器は、中周波領域の周波数を使用していますので皮膚抵抗値が低くなるので通電の際の痛みを感じにくくなります。その結果筋収縮を十分起こすまで電流出力を上げられます。 低周波治療器と同じ様に疼痛緩和が目的となります。
◆効果
- 鎮痛効果(痛みを取り除く)
- ポンピング作用(筋肉の収縮と弛緩を繰り返し血流をうながす)
- 神経伝達の改善(筋肉のマヒや神経痛)
SSP治療器 (Silver Spike Point)
◆SSP治療器とは
SSP療法とはSSP電極をツボに置き、低周波通電を行うツボ表面刺激法のことをいいます。
針(はり)を挿入した場合と同じ刺激効果が得られ、「刺さない針療法」と呼ばれ高く評価されています。
◆効果
- 血行を良くし鎮痛・消炎効果が期待できるもので、筋筋膜性疼痛・背部痛・腰痛などに効果があります。
◆特徴
- 針を刺さないのに同等の効果が得られ、細菌感染の心配が無く衛生的。
- 他の治療器にくらべてパルス幅が狭く、皮膚表面の痛みを伴うことなく心地いい刺激が徐々に痛みを緩和します。
温熱療法
超音波治療器(転換熱)
◆超音波治療器とは
人間が聞く事のできる音波の周波数は20kHz以下ですが、それを超える周波数帯の音波のことを超音波と言います。
プローブの中に圧電素子と呼ばれる結晶体があり、結晶体に電圧を加えると形が伸びたり縮んだりして変化する「圧電効果」で音波を発生させています。
この振動を連続的に身体に当てて熱を発生させ、その温熱効果で治療を行う「連続モード」と、振動を断続的に起こすことで熱の発生を最小限に抑え、振動の力を利用して治療を行う「パルスモード」があります。
◆効果
- 微細振動による細胞膜の透過性や活性度を改善させ、炎症の治癒を高める。
- 細胞間隙の組織液の運動を活発にして浮腫を軽減させる。
- 組織の伸展性を高める。
- 血流の改善を行い循環不全による疼痛緩和を行う。
- 筋紡錘の緊張をなくし筋スパズムの改善を行う。
- 骨格筋の収縮機能を改善する。
照射時間率(デューティ比)は、照射している時間と照射してない時間の割合を示すもので、これにより治療の種類が変わります。一般的に照射時間率100%を「連続」と言い、温熱効果があります。一方、照射時間率が20~50%の場合は「パルス」と言い、非熱効果(機械的効果)が得られます。
【温熱作用を用いる場合】
疼痛・筋スパズム・ギブス固定後の拘縮・術後の癒着、瘢痕
【非熱効果(機械的効果)を用いる場合】
靭帯損傷・腱損傷・捻挫・打撲・局所の浮腫
極超短波・マイクロ波治療器〈転換熱)
極超短波といい生体の深部組織から温め、特に水分をよく含む筋膜付近を温めるという生理作用があります。
◆効果
- 打撲・捻挫・脱臼・骨折後期の疼痛
- 慢性関節リュウマチ
- 腰痛
- 変形性関節症
- 腱鞘炎後期の疼痛
- 肩関節後期の疼痛 など
◆特徴
新型アプリケーターにより患部に直接照射することができ、エネルギー効率が従来よりも効率的で深部から温め刺激もなく電気治療の苦手な方にも安心して治療が受けられます。
オンパー治療器
◆効果
- 血行障害・痺れ
- 神経痛
- 関節拘縮
- むくみ・冷え など
◆特徴
オンパー治療器は特殊な物理条件を与えた気液二層噴流(ジェット)を水中に噴射することで超音波域の音を大きく水中に出します。これは流体音といい、物質の流れによって音が出る現象で、よく似たものとしては口笛があげられます。
オンパーでの超音波は非常に大音量であり、また医療機器認証基準となっているJIS T 2005に定められた性能基準を満たしたものです。
湯の中で鳴っている大音量の超音波は、皮膚表面からカラダに入って行き、筋肉や骨などで吸収され、温熱エネルギーに変換されます(エネルギー変換熱ジュール熱)。この現象が、皮膚表面から熱を伝えていく温浴による温熱効果に加え、通常の温浴ではなかなか温度上昇できない、骨格筋の深い場所や、関節の深いところ、インナーマッスルなどの温度を上昇させます。
この温度上昇は10分の入浴で、普通のお風呂や、ジェットバスやジャグジーなど超音波が小さいお風呂に比べ、皮膚から3㎝に入ったところで約1℃高い1.6℃となり、温度上昇に起因した様々な生理反応を生みます。
ホットパック(湿熱性)(乾熱性)
身体を温めることによる温度刺激で、古代より行われている物理療法の基本的要素の一つです。
◆効果
- 疼痛の緩解
- 筋スパズムの緩解
- 局所の浮腫軽減
- 血行改善
理学療法施行の前処置、関節拘縮に対する矯正、瘢痕組織の軟化、低周波通電前の皮膚電気抵抗の低下、運動療法・牽引療法の前処置等。
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